Interview
2019.09.27

街づくりに余白をつくる。 新たなコラボレーションで街をアップデートする「NIHONBASHI MEGURU FES」のビジョンとは?

街づくりに余白をつくる。 新たなコラボレーションで街をアップデートする「NIHONBASHI MEGURU FES」のビジョンとは?

9月27日に開業を迎えた「COREDO室町テラス」。この日から11月20日までの期間、日本橋で「NIHONBASHI MEGURU FES」が開催されます。地元企業やクリエイターなど多種多様なプレイヤーが参加する今回初となるイベント。その企画背景を、同イベントの仕掛け人であるクリエーティブディレクターの戸田宏一郎さん(株式会社CC)と、コミュニケーションプランナーの佐々木大輔さん(株式会社Bascule)、イベント事務局の坂本彩さん(三井不動産株式会社)にお伺いしました。

OPEN/CHALLENGE/COLLABORATIONをキーワードに今後の街の在り方を考える。

−まずは、今回の「MEGURU NIHONBASHI FES」の企画背景について、教えてください 。

坂本:日本橋の街では約15年にわたって大規模な再開発が続いてきましたが、今回オープンした「COREDO室町テラス」で開発は一区切りとなります。また一年後の東京オリンピックに向けて今後さらなる盛り上がりを見せていくこの街において、ちょうど今が、新しい街づくりが始まるターニングポイントにあたると考えました。

それでこのタイミングで、日本橋の魅力を新たな目線から再発掘し、発信力を強める取り組みを行いたいと考えていて。それでご縁あって戸田さんをご紹介いただき、企画のディレクションについてご相談をさせていただいたんです。

また、企画の具体化やコミュニケーションプランの部分は昨年から活動している「nihonbashi β」でご一緒させていただいている佐々木さんに入っていただきました。

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「NIHONBASHI MEGURU FES」の事務局を務める、三井不動産株式会社 日本橋街づくり推進部の坂本彩さん。

戸田:このお話をいただいてから、まずは改めて日本橋の街について勉強しましたが、日本橋の歴史は情報量が多くて。最初は正直この段階ですでに「重いなー」と思いましたね(笑)。通常の広告キャンペーンと違い、商品の売り方を考えて終わりではなく、街を多角的に捉えた上でイベント全体の方向性を決めていく必要がある。だからまずは日本橋に生きてきた人、関わってきた人のことも含めて様々な歴史や情報を整理することに時間をかけましたね。

-企画を詰めていくにあたり、最初はどのようにスタートしたのでしょうか。

坂本:私たちが日本橋のプロジェクトにおいて重要と考えているキーワードに「OPEN」「CHALLENGE」「COLLABORATION」というものがあるんです。まずは構造としてこの観点を織り込みたいというお話をさせていただきました。

-その3つのキーワードの詳細をお伺いできますか?

坂本:まず「OPEN」は、街に隙間や余白をつくり、「入り込む場所がある街」ということを表現しよう、ということを意味しています。敷居が高い、保守的な街だと思われていますが、街の方々は新しいことにも非常に寛容です。なので色々な方に日本橋に入り込んでいただき、「街の主体」になってほしいと考えています。

そして「CHALLENGE」。常に新しいことに挑戦していこうという姿勢のことです。日本橋には、「挑戦を続けてこそ老舗」という考えが強く根付いています。そこは現在でもきちんと引き継ぐべき点だと考えました。

3つめが「COLLABORATION」。日本橋は他の街にはない強い文化と歴史があり、それが保守的なイメージを生んでいるともいえるのですが、間違いなく個性であり魅力でもあります。この独自性ある資産と、新たな要素とをコレボレーションさせた先に、日本橋独自の発信の在り方があるんじゃないかと考えたんです。

戸田:このキーワードのお話や、今まで進められてきた街づくりの活動をうかがいながら、まずはみなさんの街づくりに対する考え方や、今後目指すべき街の在り方などの「伝え方」を考えるという部分から検討をはじめました。

今までやってきたことを軸に、今後見えてくる展開を言葉にしたり、目に見えるものにする、それが僕らの仕事です。今回のプロジェクトの場合、そういった可視化によって、街づくりのプロジェクトに携わる皆さんの活動の軸や指針みたいなものができたらいいかな、と。

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「NIHONBASHI MEGURU FES」のクリエーティブディレクター 戸田宏一郎さん。株式会社電通を経て、2017年1月に株式会社CCを設立し、独立。ブランド開発から広告全般まで幅広く手がけている。

-考えていくうえで大変だと感じることがありましたか?

戸田:「街づくり」と一言でいいますが、知れば知るほど、関わる人のカテゴリーの多さや時間軸の長さが見えてきて、その複雑さは他にはない点でしたね。これは街づくりならではの難しさだなと。

なので、いつもより視野を広めに捉えることも意識しました。しかし導き出す方向性は一つなので、その一つをどう見つけるか。結果よりも、プロセスの共有に重要性を感じたため、ディスカッションをすることに時間をかけました。

-佐々木さんはもう数年日本橋に関わっていらっしゃるということですが、街に対してどのようなお考えをお持ちですか?

佐々木:未来の日本橋への期待をどうつくっていくか?という問いが、これからの街づくりや情報発信において重要だと考えています。先ほど坂本さんが仰った「OPEN」「CHALLENGE」「COLLABORATION」も、街への期待をつくっていくためのキーワードだと思いますし、昨年からスタートした、若手クリエイターと日本橋をつなぐ共創プロジェクト「nihonbashi β」でも強く意識しています。

日本橋は、未来に残したいモノ・コトに富む、クリエイティブ対象として面白い街だと感じています。しかし、敷居が高いイメージが先行し、若いクリエイターにとっては距離を感じる街になってしまっている。同じ東京の街でも、例えば渋谷や六本木は、「活動の場があるかもしれない」「街に何か関われるかもしれない」という期待があるのですが、日本橋は少し距離をおかれてしまっています。

他の街にはないクリエイティブ対象がたくさんあるのに、クリエイターからの期待が生まれづらいのはもったいないことだと思います。そこで、日本橋を舞台にした創作機会を若手クリエイターに提供し、街のさまざまな資産をアップデートしていく共創プロジェクト「nihonbashi β」を立ち上げました。新しいチャレンジが生まれる、開かれた街にしていきたいという想いを込め、完成された街のイメージを持たれている日本橋に、あえて「未完成」を意味する「β(ベータ)」を冠するネーミングを考えました。

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若手クリエイターと日本橋の未来をつくる共創プロジェクト「nihonbashi β」を手がけている株式会社Basculeの佐々木大輔さん。

プロジェクトの方向性を明確にする「可視化」の力。

-今回具体の企画を進めるにあたってどのような役割分担があったのでしょうか。

坂本:戸田さんには今回のイベントのスローガンやキービジュアル等の大枠を構築いただいて、佐々木さんには「nihonbashi β」のスキームを活かした、具体のコンテンツ作りとコミュニケーションプランニングを担っていただきました。

戸田:まずは今回、今後の街づくりを支えるスローガンとして「JAPAN COLLABORATION NIHONBASHI」という言葉をおきました。

日本橋は人やものの交流から新たな文化が生まれた街であり、また、個性の異なるエリアが存在し、それらが混ざり合うことで独自の魅力や活力を生んでいる、まさにコラボレーションの街なのだろうと。そして何より「日本橋」というランドマークがある。橋はまさにコラボレーションの象徴だなと思ったんです。

-そこからこのビジュアルが生まれたんですね。

戸田:はい。印象的な2色を白い空間の中に半円を描いて入れることで、白の余白部分に橋の形が生まれます。二つの円弧が交わった場所は、二つの違う価値観が出会う、という意味を込めて作りました。

ただ、これはあくまでも皆さんがやってきたことを視覚化と言語化しただけで、ゼロから新しいものを作ったわけではありません。多くのディカッションを経て、そのプロセスを元に、元々大切にしていたものを組み合わせてできたものなんです。

今後新たな街づくりをしていく上で、街の人たちの目に触れるマークになればと思いますし、マークの意味や説明を聞いて「私も街づくりに参加してみようかな」と思ってもらうきっかけになったら嬉しいですね。

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戸田さんがデザインした「JAPAN COLLABORATION NIHONBASHI」のキービジュアル。今後の街づくりの方向性を示す道しるべになっている。

佐々木:プロジェクトの早い段階で戸田さんからこの案が提示されたことで、コンテンツを企画していく上での指針がクリアになりましたし、プロジェクトメンバーの一体感やモチベーションを高めてくれる旗印にもなりましたよね。

-「NIHONBASHI MEGURU FES」という名称はどのように生まれたのでしょうか?

戸田:決まるときはすぱっと決まったのですが、ここに至るまでは結構な議論があったんですよ。

坂本:何回も案をだしていただきましたよね。みんなでそれを毎回見させていただいて、議論して。

-その議論からどのように「めぐる」という言葉が生まれたのでしょうか。

坂本:その前段で街のスローガンを考えている中で、「日本の心臓になろう」という案がでていたんです。

求心性と発信性のどちらもある街だということ、街に川があって活力が流れているような構造だということ、西と東の異なる魅力が混ざりあっている構図が右心房・左心房にも捉えられること-それらを表すメタファーとして「心臓」という言葉がしっくりくるね、と。いろいろな経緯の中でこの案は採用されなかったのですが、この議論をしている中で「活力がめぐる」という言葉が出てきていたんです。

戸田:そうですね。その議論を経て「めぐる」という言葉を用いた案を提案する流れとなりました。採用されませんでしたが、こうした議論からのプロセスからアウトプットが生まれることはよくあるんです。実は、「JAPAN COLLABOLATION NIHONBASHI」のキービジュアルで使われている赤と青の色のベースも動脈と静脈を意識していたり・・・実はそれまでのやりとりが全部合算されているんです。

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NIHONBASHI MEGURU FESのキービジュアル

−MEGURU FESのキービジュアルも素敵ですね。こちらはどのように考えられたものなのでしょうか?

戸田:キービジュアルは日本橋でとても大切にされている「熈代勝覧(きだいしょうらん)」をモチーフにしています。街が目指す姿として明確に提示されていたわけではないのですが、会話の端々に出てくる機会がありましたよね。

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江戸時代の日本橋を描いた絵巻物「熈代勝覧」の一部。街の賑わいはもちろんのこと、人の表情や暖簾の紋までが描かれているため、当時の街の様子を詳細に知ることができる。 (ベルリン国立アジア美術館 Photo AMF / DNPartcom / c bpk / Museum fur Asiatische Kunst, SMB / Jurgen Liepe)

坂本:そうですね。立ち返る場所というイメージがあって、話をする中でよく出てくるモチーフです。

戸田:コアな部分にはいないんだけど、会話の端々に出てくるものが道筋をつくることってよくあるんですよ。今回の「熈代勝覧」はまさにそうでしたね。みなさんの会話によく出てくるので気になってレプリカをみたら、ものすごく良かった。良すぎるくらい。これをなんとか活かしたいと思いました。

今回プロジェクトに参加する中で、僕の役回りとしては、ゼロベースで何かを生み出すのではなく、あるものを使いながら次へつなげていくことだと感じていたんです。そう考え直して改めて「熈代勝覧」をみたときに、これこそまさにイベントの趣旨を体現していると思いました。

それで「熈代勝覧」を使うことを決めて、色をなくす作業をしたいな、と。ビジュアルとして使うなら、完成されてしまっているものを、色のない状態に戻して、白黒というよりは銀を使ってコンセプチュアルにしたいと考えたんです。

坂本:このキービジュアルは一瞬で決まりましたよね。戸田さんがご提案してくださった瞬間に、これだね!と、全会一致で決まったのを覚えています。

佐々木:「熈代勝覧」は、当時の日本橋の賑わいが描かれていて、この頃の賑わいを取り戻すことが街の目標にもなっている大事な絵巻物。だけど、ただの再現ではない、この時代ならではの方法で賑わいの再生みたいなものを目指すべきなんだと、方向性が明確になった気がしました。

戸田:「熈代勝覧」は当時の日本橋が克明に描かれていて、クローズアップすると人々の表情や、何をしているかまでもがわかるようになっています。情報としても非常に精度が高いんですよね。あとはそれを、デザイナーとしてどれだけ素敵に、コンセプチュアルに見せるかが重要で、古いものをいかに現代的にアップデートして使うかを必死に考えましたね。

街のプレイヤーの参加性を増すプラットフォームを用意し、チャレンジの場を生み出す。

-イベントコンテンツでも“古くから続くものをアップデートする”ということを意識されていますよね?

佐々木:そうですね。日本橋は江戸という偉大な歴史を持つ街だからこそ、イメージが過去の方向に引っ張られがちなんですよね。ともすれば、目指している3つのキーワードとは真逆の、閉鎖的・保守的・排他的といった、街の未来に対する期待につながりにくいイメージを持たれてしまう。

そういった認識を払拭していくために、古くから続く日本橋の資産をアップデートするプロジェクトとして「nihonbashiβ」の活動があるわけなのですが、「MEGURU FES」のイベントコンテンツでもその考えを踏襲し、日本橋ならではのさまざまな資産を、コラボレーションによってアップデートすることを企画の柱にしています。

-イベントのメインコンテンツである「めぐるのれん展」について教えていただけますか?

佐々木:昨年「nihonbashiβ」のプロジェクトとして実施した「未来ののれん展」では、最先端のテクノロジーを組み合わせて、新しい体験のある暖簾づくりを行いました。若手クリエイターと日本橋の有名店との共創によって実現したこの取り組みは、多くのメディアに取り上げていただくことができました。

この反響を受け、より多くの企業やクリエイターとともに、さらに大きなスケールで街に暖簾を展開していくことをテーマにしたコンテンツが「めぐるのれん展」です。「熈代勝覧」の賑わいを再現することを目指し、日本橋を代表する企業、様々な業界の著名クリエイター、そして公募で選ばれた若手クリエイターによるオリジナルの暖簾作品を約160mにわたって掲出する、大規模な展示イベントです。

暖簾は「暖簾を守る」という言葉があるように、老舗の象徴でもあり、手を触れてはいけないようなイメージがあります。そんな敷居の高い題材をあえてクリエイティブの対象にすることで、「オープンでありたい」という日本橋の街づくりのメッセージを、より説得力がある形で発信できるのでは?と考えたんです。

坂本:暖簾をモチーフとして扱ったのは“迎え入れる”という機能を持っているからでもあります。「MEGURU FES」の開催はCOREDO室町テラスの開業時期。この時期は今まで日本橋に来たことがなかった人たちが多くいらっしゃるだろうなと。

なのでそうしたお客様を日本橋の街全体で、「ようこそ!」とお迎えしたい思いがありました。そのために日本橋らしいモチーフであり、おもてなしの表現とも言える暖簾をコンテンツとするのはとてもしっくりくるなと思いました。

「めぐるのれん展」は、室町・日本橋エリアの玄関口でもある三越前駅の地下歩道とCOREDO室町テラス前地下歩道で開催 。

-本当に多くの方が関わっているプロジェクトですが、その点も意識的に企画されたのでしょうか?

坂本:そうですね。昨年佐々木さんたちと「nihonbashi β」の検討をしていたとき、もとは「街が発信力を増すにはどうしたらいいか」ということが出発点だったんです。その中で「発信源となる主体を増やすこと」が重要だね、となって。

渋谷はそのいい例ですよね。企業や店舗・人が自ら主体的に活動していることで街のイメージと発信力を生んでいる。

日本橋はこれまで、老舗の方々が発信源として街を語り、スピーカーになってくださっていました。老舗のみなさんの発信力と影響力はものすごく力をもっているのですが、これからは、日本橋の企業の方々にも参加いただけると、より発信力の幅が広がるのではないかと思っていました。

佐々木:日本橋の企業のみなさんは、日本橋で働いていることをとても誇りに思っていらっしゃるんじゃないかと思うんですよね。そういった日本橋の企業の方たちが、自分たちのアイデンティティを表現し、街や来街者とつながるためのインターフェースとして、暖簾は面白いフォーマットになる気がしたんです。また、期間限定であることを言い訳にして、通常の暖簾では難しい、自由な企業表現にチャレンジしてもらえる機会にもなるんじゃないかと思いました。

戸田:今回のれん展に参加してくださる皆さんの姿勢をみても、日本橋はチャレンジをしながら歴史を塗り替えていこうとしている文化があるなと感じましたね。今までやってきたことをキープするのではなくて、どんどん挑戦をしないと残っていけないから、積極的にアップデートを試みている。新陳代謝を大切にすることが、街で残っていける理由なのだということも、今回勉強になりました。

イベントコンテンツのキーワードは「コラレボレーション」と「アップデート」

-ほかのイベントコンテンツについてもお話を伺えればと思います。コレド室町テラスの広場で展開されるインスタレーション「紋照−mon terrace−」についてもお話いただけますか?

佐々木:「紋照-mon terrace-」は、日本の伝統的な表現方法である「紋」と、最先端のテクノロジーであるレーザープロジェクションを掛け合わせたインスタレーションです。紋章上繪師(もんしょううわえし)の波戸場承龍さん・耀次さん、レーザーアーティストのMESさん、そしてBasculeによるコラボレーションで、紋の新しいエンターテイメント表現を生み出すことを目指しました。

波戸場さんにお話を聞いたときに着目したのが、紋を作る手法とそのプロセスでした。紋って、直線と円だけを組み合わせて作られているんですよね。すごくミニマルな手法でたくさんの紋が出来上がっているという事実に驚きましたし、できあがるまでのプロセス自体がとても面白いとおもったんです。

それで、このプロセスを印象的に見せられる手法を検討したいと思い、レーザーアーティストのMESさんにお声がけをしました。その結果、レーザーとプロジェクションで紋の制作プロセスを演出する、今回のコンテンツの案にたどり着きました。

坂本:波戸場さん親子は、紋を作るというとても伝統的な仕事に就かれていますが、コラボレーションや新しい挑戦にも積極的に、楽しんで取り組んでくださいました。古いものと新しい技術とのコントラストが非常に面白いコンテンツになっていると思います。

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「紋照-mon terrace-」は、10月22日(火)〜10月31日(木)の期間中、COREDO室町テラス大屋根広場に登場する。

-「Nihonbashi Light Cruise」は、日本橋に古くからある「舟運」に新しいテクノロジーを加えたコンテンツですね。

佐々木 :当初「舟運」って、若い人が楽しんでいるイメージがなくて、ちょっと古臭い印象があったんですよね。でも、実際に乗ってみると、水面から東京の街を眺めたり、橋をくぐるという体験は、とても非日常的でエンターテイメント性のあるコンテンツだと驚きました。

その価値を知ってもらうきっかけ作りができたらいいなと思って、もともと舟運が持っている楽しさをより増幅させるような体験を目指しました。位置情報に連動してライティングやサウンドが変化するシステムを導入し、船上で光と音の演出を楽しめるように企画をしています。東京の中にある水辺や舟の魅力に触れてもらうきっかけになったら嬉しいですね。

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普段と違った視点から眺める東京の夜景と、船上での光と音の演出を楽しめる「Nihonbashi Light Cruise」は、10月11日(金)〜11月20日(水)の期間に運行される。

新たな街づくりに必要なのは“余白”。隙間からさまざまな人に参加してほしい。

−最後に、MEGURU FESを通じてどのようなメッセージを発信されたいか、うかがえますか。

戸田:今回の「MEGURU FES」は、実施して終了するものではなく、新しい街づくりのスタート地点だと思っています。今回、ディスカッションを経て「MEGURU FES」を作り上げる中で、日本橋の街づくりには“余白”が重要であると感じました。コラボレーションができる余白、アップデートができる余白。あまりギチギチに詰めすぎない方が、日本橋では良いものが生まれそうな気がしますよね。

坂本:街に入り込む隙間を用意したい、街をオープンにしたい、という意味でも、“余白”は日本橋の街づくりにとって重要なキーワードになると思います。開かれた場、余白のある場を創り出すことで、新しいコミュニティや、街づくりの主体が増えるきっかけになるのではないかと思います。

余白に入り込んでくる人が増えていくと、街自体の発信力の強化にもつながりますし、さらに街の新陳代謝が高まります。「MEGURU FES」がきっかけになって、そこからまた多くの人が街に携わってくれるようになるとうれしいですね。

佐々木:昨年実施した「未来ののれん展」は、まさに街とのコラボレーションを生み出す余白をつくることを意識したプロジェクトでした。今年はその余白を更に大きく広げ、より多くの企業やクリエイターが街に関われる場として展開することができました。一年でここまでコンテンツを大きく成長させることができたのは、多くのプレイヤーにとって、日本橋の余白はとても魅力的に映るということの現れなんじゃないかと思います。ちょっと気が早いですが、来年は更に多くの方と関われるような場を作り上げることができたら嬉しいですね。

取材・文:古田啓(Konel) 撮影:岡村大輔

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